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うみねこのなく頃に 竜騎士07に勝つ最良の方法 暫定版

うみねこのなく頃に、は一つの新しいジャンルの話であります。嘘です。ただのミステリです。ただルールが意地悪くなっているだけです。
絶海の孤島で繰り広げられる連続猟奇殺人、という、ある種ミステリではお約束とも取れる題材を選択しながらも、そこから推理の要素を引っこ抜いている。なぜなら竜騎士07曰く、犯人は黄金の魔女ベアトリーチェであり、数々の殺人は彼女の魔法によるものだということなのですから。

もちろん、それで多くのプレイヤーが納得できるかといえば、そうではありません。そしてまた推理は可能か不可能か、と逆に問われれば、可能であると竜騎士は答えねばならないのです。形態自体はよくある話。まずはじめに完全に不可能な犯行を示され、そこにもっともらしい答えが用意される。そこまではよし。しかしここでイレギュラーが登場する。もっともらしい答えに反旗をひるがえす探偵、戦人の存在です。

ミステリ的に読むならば、あと一遍を残す問題編が終わり、回答編が始まり、その最終章にて、戦人は魔女に打ち勝つ、いや、結局負けて死んでしまうにしろ、真実を明らかにせねばならない。さらに、魔女を否定し続けるという役目を負った戦人の提示する真実は、決して最初に示されたような魔法によるものであってはならない、これが物語の核であり、同時に竜騎士の負う義務です。

しかしこれはまず「ミステリかどうか」という話なので、その前提は崩れ去ります。というよりも、今俺がプレイしているのはEP2の中盤ごろですが、そこでは戦人は魔女の揚げ足取りに終始している。もっともな話です。この話はまずミステリではないので、戦人は真実を明らかにする必要はない。
ここで彼が証明しなければならないのは、彼らを襲う悲劇が決して魔女の手によるものではない、ということだけです。魔女ではないなら誰の仕業か、いかにして、ということを証明する必要はない。これはきわめて「ミステリ的ではない」展開です。つまり魔女が「これは魔法にしかできないだろ?」と問えば、戦人は「いや、こういう方法があるだろ」という風に切り返す。


竜騎士07は、特にうみねこでは「悪魔の証明」を好んで用いますが、その使い方は少し間違っている。
悪魔の照明とは、たとえば「悪魔がいる」と主張する人Aに対して「それなら証拠を見せてみろよ」と返す人Bがいる。するとAは「じゃあいないっていう証拠を出せよ! 出せないなら悪魔はいるにきまってるだろ」と返したとき、Aには「いない」という証明はできない。これが悪魔の証明です。
さてここで疑問が生じます。Aが悪魔がいないことを証明できなかったとして、はたして悪魔はいるのか?
科学はこれをどう説明つけるのでしょうか。答えはこうです。Bが「悪魔がいる」ということを証明できない限り、悪魔はいないものとして扱う。
そして証明とはなんでしょうか。証明とは、証を明らかにすることです。そのままですね。乱暴に言えば、納得のいく説明を突き付ける、ということです。

さて、この悪魔の証明が今回のケースではどのようになるでしょうか。
実はこの話では、悪魔の証明はほとんど役立たずです。いや、具体的にいえば、悪魔の証明を持ち出すと魔女ベアトリーチェ、及び竜騎士07はおのずと破れてしまいます。なぜでしょうか。

多くのプレイヤーの考えていることはおそらくこうでしょう。「魔女ではなく、人間の犯行である」。すなわち解答編にて、もっともな説明が来る、ということを期待しているわけです。そして問題編である今、「すべては魔法の所業である」と出されている限り、回答は別のものであるに違いない、と。
これは、あくまで竜騎士07が「解かせる気は毛頭ない」とのたまっても、そうは問屋がおろさない。絶対になんらかの答えが示される。それは「問題」と「解答」にわけたからには当然の義務。

つまりプレイヤーの多くはこの「うみねこ」をミステリーとしてとらえています。それは竜騎士07がどれだけ違うといっても変わらない。前作ひぐらしのなく頃にの終盤であった超展開なら超展開ならではの答えが用意されているはず。つまりオヤシロ様の祟りは、むにゃむにゃであると。それがどれだけ非現実的でも、最初に示されたものとは必ず違う答えにきまっている。

つまり彼らは魔法など信じていません。いや、新城カズマの浪漫探偵や上遠野浩平の殺竜事件、久住四季のトリックスターズの例を出すまでもなく、現実的な世界でのみミステリが成り立つことはないとわかっていますが、今回は「魔女を否定することこそ真実」なのです。そしてプレイヤーたちは、ループやメタは許している。しかし魔法は信じない。ちゃんとした説明がなく「全部魔法でしたよ」は認めない。
つまりどういうことなのでしょう。

竜騎士07と魔女ベアトリーチェには、すべてが「どのような理屈を持った魔法で、どのように殺したか」を説明する義務があるということです。すなわち、二人に示されているのは「いくつもの事件が魔法によって引き起こされた」と証明しなければならない、その一点。
そして戦人には「人間がやった」と証明しなければならない義務はありません。なぜなら、プレイヤー側=戦人に向って「魔女がやったんだよ。違うというなら証明してみせろよ」と迫っているのは竜騎士07=魔女ベアトリーチェなのです。すなわち竜騎士07は、プレイヤーに向って「悪魔の証明」を突きつけているわけです。これでは最初からプレイヤーに勝ち目などない。いや、この時点でプレイヤーは勝っているのです。私たちにできることは簡単にして唯一つ。竜騎士がこれから示していく「魔女だよ、ほら、戦人は人間がやったと証明できないでしょ?」という事実をただ拒否すればよく、なんどもリセットしてその間に黄金郷への碑文を解けばよいのです。なぜなら、殺人の謎を解くというチェスにプレイヤー側の勝利は設定されていないのですから。ベアトリーチェの言うように、引き分けを何度も繰り返し、そのあいだに着実に勝利への手を進めればよし。ベアトリーチェが勝利するのは、実はとても難しい。何度も繰り返される物語において、黄金郷への謎が解かれないようにプレイヤーをチェスに縛り付けておかねばならない。そしてそれは、プレイヤーが挑戦し続ける限り終わらない。
すなわちプレイヤー=戦人は何度もやり直しができるが、ベアトリーチェにはそれがない。黄金郷への謎を解く片手間に事件の犯人の推理でもしてみましょう。今回、犯人当てというのはその程度の余興にしかすぎません。竜騎士を倒そうと考える人がいるなら、さっさと黄金のありかを探し出すのがいっとう早い。そのために事件の観察をするのもありでしょうが、決してそれが本題とならぬよう。


というのが、わかりづらいですが魔女ベアトリーチェに打ち勝つ方法です。安心してください。魔法という便利なものを一切信じない俺達を相手取って、魔女に勝ち目はありません。粛々と揚げ足取りをしましょう。

ところで竜騎士07は、EP3付属の小冊子において後期クイーン問題について言及しています。いわく、探偵が現場を調べて調べて「これこれこういった証拠から犯人はだれそれXと考えて間違いない」といったところで、そこにXではなくYが犯人であるといった絶対的な証拠を見つけていない可能性がある、というものです。すなわち、探偵が論理的にたどり着いた真相が確かに真相であるか、作中探偵(及び同等の条件をもつ読者)には決してわからない。重大な問題であると一時、そして現在ミステリ界でも議論のたえないトピックです。

ここにおれの敬愛する作家、新城カズマの著作「浪漫探偵」に登場する探偵朱月宵三郎の言を借りてみることにしてみましょう。

「例えばだね、探偵小説の中に『これこれこのことはまったく事実に相違ない』とか『この証拠は動かしがたい』とか、はたまた『この台詞は事件に無関係なので疑う必要はない』という地の文がでてきたとしても……それすら疑ってかかることは、原理的には、当然できるはずなのだよ。だが誰もそんなことは疑わない」
「そりゃそうでしょ。そこまで疑ったら、お話が成立しないもの」
「では訊くが、なぜ話が成立しなくてはいかんのかね?」
(中略)
「……だって、それじゃあ面白くないわ」
「そう。つまり、そういうことだ(中略)すべては疑いうると豪語している、あの『読者』と呼ばれる特権的一族でさえ、必ず何かを信頼している。いや、信頼せざるをえないのだ。
 なぜなら、本当に全てを疑ってしまったら話が面白くならんからだ。そして読者にとっては、それこそはゆずることのできない、最低限の一線なのだ」
                     新城カズマ「浪漫探偵・朱月宵三郎 無謬邸は暁に消ゆ」 p189-190


おそらく正しい。私たちが望んでいるのは「面白い物語」なのです。ですからベアトリーチェが赤文字で言ったことは真実だと信じて疑わないし、作中に出てこないことに関して推理することはあれど、これこそが真実だと断定もしない。あくまで竜騎士07がすべてのヒントをそろえるのを待っているのです。なぜなら、竜騎士07が解答編に移行しても「やっぱりなんのトリックもない、魔法だったよ!」と言ってしまうと何にも面白くないからです。そしてその一点だけは、プレイヤーとして、うみねこに期待するファンとして、そして金を出した消費者として、譲れないのです。
竜騎士07が考えている真実はあるでしょう。それがなんだとしても、そこにたどり着くまでに「プレイヤーにヒントを出しつくさなければ」、竜騎士07はエンターテインメントの提供者として失格の烙印を押されることになります。その真実が魔法でもよし。ただそこに納得のいく説明がなければ、ただ今、子供のように、そして権力者のように「信じろ! 疑うな! これは魔法だ!」と叫んでるだけでは、プレイヤーを屈服させることなどできはしません。信じさせるための努力を、プレイヤーは望んでいるのですよ。そしてこれは悪魔の証明でもなんでもないのです。なんとも簡単なことだとは思いませんか?
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