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有限無限パラドクス おまけ

14.最後の最後でわかった、一つの――
 消えてゆく景色の中、僕は考えていた。ちょっと待てよ。今回、御剣竜太郎はなにも解決してないんじゃないのか? 予定通りにことを進めただけじゃないか。
 未来の竜兄がいる時点で、なにもかも予定通りに進むことになっている。なぜなら、未来の竜兄がいるからだ、といったようなことを竜兄は言った。その論理でいくなら、二十七歳を超えた僕がいないから、僕はこの日このときこの瞬間、必ず死ぬんだろう。僕の死も予定通りだ。変更なし。
 そもそもだ。
話を聞いた時点で、竜兄には根本の疑問がちゃんと浮かんでいた。何故、意味のない調査をするのか。そしてデータベースで、資料がないのに気づいたのも、多分ここに来た初日だっただろう。そしてどこまで想像力の翼を広げたかは知らないが、かなり早い段階で、僕らのうち誰かが殺されるとわかったんじゃないか? そうに違いない。何故って、竜兄は死を回避していて、僕が死んでいるからだ。予定通り。そして、直接手をかけないで坑丸が僕を殺すには……毒殺、だと考える可能性はある。仕込むのは、食料、という可能性もある。

 ――何せ飯を食う間も水を飲む間も惜しんで読み続けている……

 寒気。
 竜兄は、ここに来たその日から、他の人間の存在が確認できるまで、水以外は口にしていない。水も、手ですくって飲んでいた。
 間違いなく気づいていた。間違いなく気づいていた。言ってたじゃないか。坑丸の説明はある意味で一貫しているって。殺人が起きるに違いないと。仮に毒殺で、僕らが他の部屋を知らないまま過ごすと仮定しても、二人が一緒に死ねば殺人ではないから、もしくは僕たち以外の誰かが起こした殺人だから、死ななければならないのは片方だ。だから、両方とも使う可能性のある水道水に毒は流さないはずだ。ティーバッグ一つなら、使うのはどちらか片方だけだ。そして使ってたのは僕だけだ。毒入りの可能性があるものを使っていたのは、僕だけだ。
 竜兄は、
   竜兄
     竜
    僕が死ぬだろうと
  いや、僕を死なせようと
 あれ?
 
 隣にいた竜兄が、笑った。
「そうだよ。動機でも知りたいか――忘れるのに?」
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